2017年06月04日

「生産管理システム構築のすべて」の中国語版が発売されます

北村友博の著書「生産管理システム構築のすべて」は,2010年2月に日本実業出版社から発売されました。
実務書としては高額(2,840円・税別)ですが,現在,第8刷を数え,生産管理分野ではトップクラスの販売を維持しています(Amazon)。
この度,人民東方出版伝媒有限公司から,中国語への翻訳の申し込みが寄せられました。
中国本土で販売するそうですが,翻訳権の印税はなんだかんだと引き算され,手元には少額しか入ってこないようです。
中国に進出された製造業様のお話しでは,「生産管理の概念が全くない」とのことで,それが事実に近いなら,多少はお役に立てるのではないかと思います。
それにしても,お互い隣国ですから,もう少し仲良くなりたいものですね。

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技術士・ITコーディネータ・特種情報処理技術者 北 村 友 博
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タグ:生産管理
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2015年02月26日

Excelのビジネス利用における課題と対策 (4)

Excelをシステムとして使える“Auto.exl”

「Excelのビジネス利用における課題と対策」と題して,3回にわたってExcelを業務で利用する際の問題点を指摘してきました。しかしスプレッドシートでは圧倒的な装備率のExcelです。何とか課題をクリアして,Excelが持つパワーをビジネスに活用したいものです。

1. Excelの強みと弱みを分析する
 Excelの「強み」は豊富なデータ処理能力にあります。四則演算に加えて,予め準備された様々な関数が,殆どの演算処理を自動的におこないます。しかし処理手続きには人の操作を必要とします。これがExcelの「弱み」と言えるかも知れません。しかしOFFICEの考え方では,プログラムに相当する処理手続きを自動化したいなら,ACCESSを使えということなのでしょう。

 前回まで述べてきたExcelの,さまざまな問題点に共通することは,「同じ処理を繰り返しおこなう」こと,つまり定例処理が根っ子にあったことです。本来はACCESSを使うべきところを,ホームグラウンドのExcelで,無理矢理おこなってきたつけと言えるかもしれません。

2.  処理手続きは8種に集約できる
 一方,データを読み込みから帳票の出力まで,処理手続きについても分析しました。その結果,データの抽出,複数データの併合,並び替え,編集,データ集計,別データとの照合,データ更新,作表,この8つの処理に集約できました。それ以外の処理手続きはありませんでした。
 それぞれの処理手続きは定式化できます。例えば「照合」の手続きは,「キーとなる項目が合致するデータを検索して読取り必要なデータを転写する」です。キーとなる項目や転写するデータ項目は,照合の「仕様」として「仕様書シート」に記載します。

3. 業務システム生成ツール“Auto.exl”の開発
 8つの処理手続きをすべて定式化して,それぞれをVBAでプログラム化しました。それまで行ってきた処理手続きに従って,あたかもLEGOを組立てるように,システムを組立てていくことができます。
 データベースは,もちろんExcelそのものです。Book⇒Sheet⇒Cellと階層化されたデータ保持のしくみは,大規模でさえなければデータベースとして十分利用できます。

4. リアルタイム処理vsバッチ処理vsオンタイム処理
 業務は一定の「区切り」で同じ処理を行うことが必要です。受注・発注・仕入・在庫・販売・決済・粗利・・・人の動きやモノの動きのタイム・フレームは個々に発生するため,情報を一定の間隔やタイミングで同期化することが必要です。これはリアルタイム処理ではありません。タイミングを計って行うオンタイム処理といえます。オンタイムでなければ業務間で「会話」ができないからです。それぞれの業務の時間軸を整合化することが必要です。業務情報をダラダラと渡されても,後続する業務で処理ができません。それぞれの都合に合わせた情報伝達が必要であり,そのタイミングで最新の情報を処理する事がポイントではないでしょうか。
タグ:Excel
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Excelのビジネス利用における課題と対策(3)

ビジネスで利用する場合のExcelの致命的欠陥

1. Excel利用の危機
 業務遂行に不可欠で最も身近なソフトウェアがExcelです。しかし管理せずに放置した結果,マクロやプログラムが組込まれたExcelシートが量産され,ブラックボックス化,仕事の属人化を招いています。「計算が違っていても原因が分からない」「システムとして維持できない」,このような誤ったExcel利用のために,企業の隠れたリスクとなってトップの不安をかき立て始めています。
 現場主導の部分最適化として作成・利用されてきたExcelですが,各部門がそのExcelを維持していくことが難しくなっています。また,内部統制や情報漏洩に係わるセキュリティからも,継続利用が危ぶまれています。

2. Excelリスクの4現象
 Excelリスクとは,業務部門の担当者がExcelで独自におこなっている情報処理をいいます。これが4つの問題に直面しています。
@ Excelブラックボックス化,
A Excel部分最適化,
B Excel引継ぎ不能化,
C Excel管理不在です。

(1)Excelブラックボックス化
 現場で各人が勝手に作成した,マクロを含んだExcelシートが,異動や退職などによって,作成者不明になっていることです。作成者がいても,積み重ねた変更と不備なドキュメントで,誰が,どこを,どのように変更したのか,分からなくなっています。

(2) Excel部分最適化
 各部署がその場その場で自分たちにとって最適と思う,業務の仕組みをExcelで作り上げ,それが全社の標準化からは弊害となっています。

(3) Excel引継ぎ不能化
 各部署に「Excelの達人」と言える人が1人はいて,その人がマクロをゴリゴリ書いて,部門のExcel利用を進めてきました。このようなExcelの達人の多くは,40代前後にExcelに出会って,その威力に感動してのめり込んだ人達です。彼らも現在60歳近くになって,後継者が必要な時期に入りました。しかし引き継いでくれる後継者が見つかりません。20〜30代の社員は総じてExcelに特段の思い入れがないからです。Excelの達人などダサいと思っています。Excelは当たり前の“文具品”だからです。

(4) Excelシートは管理不在
 大抵の場合「Excelのバージョン」はシステム部門が厳しく管理していますが,「Excelシート」は全く管理していません。総務部門がせいぜい「Excelシートを印刷したもの」について,「社内文書規程」などで管理するケースが大半です。Excelシートのフォーマットや仕様書を,きちんと管理している企業はほとんどありません。

 そして最大の問題は,フォーマットもバラバラで,システム部門も管理していないExcelシートが,「ERPなどの基幹システムと連携して使うツール」だということです。システム部門が管理するERPに,システム部門がまったく管理していないExcelシートを連携させて使う,アンバランスな体制の企業が多いのです。このアンバランスがシステム運用の最大の「落とし穴」です。
タグ:Excel
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2014年07月30日

Excel ビジネス利用における課題と対策 (2) 超絶技巧Excelマンの登場

Excel ビジネス利用における課題と対策 (2)

あらゆるビジネスシーンで威力を発揮するExcelですが,その反面,Excelマクロや関数,VBAを駆使するケースが増え,企業の各部門にExcelの専門家が誕生するようになりました。前回は「超絶技巧Excelマンの登場」と題して,その結果,困った事態に陥るケースをご紹介しました。

今回のテーマは,
(2) 言うは易く行うは難し「スプレッドシート統制」です。
 静かな話題になっている「スプレッドシート統制」(以下,指針という)について,考えてみます。
皆さんは「スプレッドシート統制」をお聞きになったことがありますか,また,その内容についてご承知でしょうか。北村は非常に重要と思っています。ビジネスでは,ほとんどの場合Excelを使用しますから,「スプレッドシート統制」は「Excel統制」と,読み替えて差支えありません。この指針の正式タイトル名は「企業の経理財務業務におけるスプレッドシート管理指針」,副題として(スプレッドシート利用のための規定と管理モデル)と謳っています。
まとめたのは,エヌ・ティ・ティ・ビジネスアソシエ株式会社,新日本監査法人,マイクロソフト株式会社,日本CFO協会です。つまりJ-SOX法の考え方に基づいて,企業の内部統制の視点から Excel利用を,これまでのように野放図に放置してはおけない,管理が必要としたものです。その要点を纏めてみます。

指針を発行した目的
 企業の経理財務業務で使用されるExcelに対して,正確性と信頼性を確保することが目的です。つまり,経理および財務報告の業務ツールとして,多くの企業でExcelが利用されていますが,このExcelも内部統制の対象となるのです。しかし多くの企業では,Excelの利用実態を把握・管理しきれていない。そのためExcel利用による,経理財務上のリスクを低減するため,全社的にExcelの利用ルールを整備・徹底することが必要,このガイドラインは,そのように主張しています。

そして,指針の対象
 対象となるExcel利用については,金額的重要性と機能的複雑性の両面から,経理財務上の影響度を評価して,どちらか一方でも大きいと判断した場合は,統制の対象にすべきといっています。この意味は分かるし,また反論しようとも思いませんが,全てのExcelを整理して分類できるか,現実問題として疑問が残ります。

また,Excelのリスクとは
 経理財務業務で使用されるExcelには,誤謬や不正が原因となって,数値や情報を歪めるリスクがあります。しかも,通常のコンピュータシステムと,同等のITリスクが存在し得ます。つまり,システムの開発と運用・変更が正しく管理され得ないこと,およびプログラムとデータが正しく管理されないことです。経理財務業務では,こうしたExcelに纏わるリスクをコントロールしない限り,Excelの正確性や信頼性を担保できないと言い切っています。

そして,Excel管理ルールの制定
 「指針」では以下の7項からなるExcel利用規定を定めています。
・入力管理規定
 入力データについては,正確性,網羅性(漏れがないこと),実在性(元データの存在)を,第三者によって確認されていること。
・出力管理規定
 出力結果については,第三者によってExcel結果が検算されていること。
・設計変更管理規定
 Excelの新規作成および変更が,正しく申請・承認されており,テスト,変更の履歴が保持されていること。
・アクセス管理規定
 正当な権限を持つ者だけがそのExcelを使用できること,またはパスワードが設定されていること,正しいバージョンが使用されていること。
・バックアップ管理規定
 定期的にExcelのバックアップが行われ,短時間で復元できる仕組みが整備されていること。
・関連文書管理規定
 Excel設計,操作に関する情報が保持されていること。また,これらの個別規定が正しく運用されるために,全体規定を定める。
・管理証跡保持規定
 各利用規定で確認された事項は、文書または電子的に証跡として保持されていることを確認する。

 さて,皆さんの会社では,この指針に準拠したExcel運用ルールの作成と,それを遵守ができるでしょうか。
北村は,まさに「言うは易し,行うは難し」の典型と思います。ルールというものは,それを守れる仕組みが重要ではないでしょうか。

 次回は,Excelのビジネス利用における課題と対策 (3)
「ビジネスで利用する場合のExcelの致命的欠陥」について,お話しします。ご期待ください。

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タグ:Excel
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2014年07月17日

Excelのビジネス利用における課題と対策 ? 超絶技巧Excelマンの登場

オフィスや工場で氾濫するExcelの利用の状態を見て,「このままでよいのか」「資料は正しいのだろうか」「実際に事務の生産性が上がっているのだろうか」など,そこはかとない不安を感じている,部門長や管理職の方々が多いと思います。
そこでExcelのビジネス利用について,以下の5回のシリーズでPCGコンサルタントの,意見と対策を述べていきます。ご期待ください。

(1) 超絶技巧Excelマンの登場
(2) 言うは易く行うは難し「スプレッドシート統制」
(3) ビジネスで利用する場合のExcelの致命的欠陥
(4) Excelをシステムとして使う“Auto.exl”
(5) “Auto.exl”で何ができるか

Excelのビジネス利用(1)
「超絶技巧Excelマンの登場」

21世紀に入ってから,システムベンダーの敵はExcelと,いっても過言ではありません。それまではベンダーに発注されていた,小規模システムや臨時的な作表業務が,Excelに置き換えられた結果,激減したからです。

今や,Excel操作については,システム部門のSEやプロも顔負けの「超絶技巧Excelマン」が,各組織に1人は必ず存在します。彼らは頼りがいのある「Excelマン」として,次々と依頼される案件を,裏技を駆使したExcelで量産し続けています。そして徐々に日常業務からは縁遠くなっていきます。そうです,約40年前にレガシーコンピュータが,企業に導入されたときと同じ風景が,また部門内で始まっているのです。

40年前と大きく違う点があります。「超絶技巧Excelマン」達は,正規のソフトウェアやシステム教育を受けておらず,また,部門のシステムアドミニストレータ(システム管理者)と位置付けられることも少ない。単にExcelに堪能,コンピュータを知っている,という理由で重宝されているだけです。勿論,業務分掌に記載されていない業務ですから,人事異動も普通にあります。そして部門から去っていった。

さあ,困るのは残った人達です。引継ぎは型通り行っていても,超絶技巧のExcelですから,さっぱり判りません。取りあえず判らないまま,データ入力しておこう,多分,ちゃんと処理されるはずだ,ということで,そのExcel処理はBlack Box化することになります。

内部統制の強化で透明化が叫ばれる企業実務に,Black Boxがあってよいものでしょうか。

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