2015年02月26日

Excelのビジネス利用における課題と対策 (4)

Excelをシステムとして使える“Auto.exl”

「Excelのビジネス利用における課題と対策」と題して,3回にわたってExcelを業務で利用する際の問題点を指摘してきました。しかしスプレッドシートでは圧倒的な装備率のExcelです。何とか課題をクリアして,Excelが持つパワーをビジネスに活用したいものです。

1. Excelの強みと弱みを分析する
 Excelの「強み」は豊富なデータ処理能力にあります。四則演算に加えて,予め準備された様々な関数が,殆どの演算処理を自動的におこないます。しかし処理手続きには人の操作を必要とします。これがExcelの「弱み」と言えるかも知れません。しかしOFFICEの考え方では,プログラムに相当する処理手続きを自動化したいなら,ACCESSを使えということなのでしょう。

 前回まで述べてきたExcelの,さまざまな問題点に共通することは,「同じ処理を繰り返しおこなう」こと,つまり定例処理が根っ子にあったことです。本来はACCESSを使うべきところを,ホームグラウンドのExcelで,無理矢理おこなってきたつけと言えるかもしれません。

2.  処理手続きは8種に集約できる
 一方,データを読み込みから帳票の出力まで,処理手続きについても分析しました。その結果,データの抽出,複数データの併合,並び替え,編集,データ集計,別データとの照合,データ更新,作表,この8つの処理に集約できました。それ以外の処理手続きはありませんでした。
 それぞれの処理手続きは定式化できます。例えば「照合」の手続きは,「キーとなる項目が合致するデータを検索して読取り必要なデータを転写する」です。キーとなる項目や転写するデータ項目は,照合の「仕様」として「仕様書シート」に記載します。

3. 業務システム生成ツール“Auto.exl”の開発
 8つの処理手続きをすべて定式化して,それぞれをVBAでプログラム化しました。それまで行ってきた処理手続きに従って,あたかもLEGOを組立てるように,システムを組立てていくことができます。
 データベースは,もちろんExcelそのものです。Book⇒Sheet⇒Cellと階層化されたデータ保持のしくみは,大規模でさえなければデータベースとして十分利用できます。

4. リアルタイム処理vsバッチ処理vsオンタイム処理
 業務は一定の「区切り」で同じ処理を行うことが必要です。受注・発注・仕入・在庫・販売・決済・粗利・・・人の動きやモノの動きのタイム・フレームは個々に発生するため,情報を一定の間隔やタイミングで同期化することが必要です。これはリアルタイム処理ではありません。タイミングを計って行うオンタイム処理といえます。オンタイムでなければ業務間で「会話」ができないからです。それぞれの業務の時間軸を整合化することが必要です。業務情報をダラダラと渡されても,後続する業務で処理ができません。それぞれの都合に合わせた情報伝達が必要であり,そのタイミングで最新の情報を処理する事がポイントではないでしょうか。
タグ:Excel
posted by 北村 at 17:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

Excelのビジネス利用における課題と対策(3)

ビジネスで利用する場合のExcelの致命的欠陥

1. Excel利用の危機
 業務遂行に不可欠で最も身近なソフトウェアがExcelです。しかし管理せずに放置した結果,マクロやプログラムが組込まれたExcelシートが量産され,ブラックボックス化,仕事の属人化を招いています。「計算が違っていても原因が分からない」「システムとして維持できない」,このような誤ったExcel利用のために,企業の隠れたリスクとなってトップの不安をかき立て始めています。
 現場主導の部分最適化として作成・利用されてきたExcelですが,各部門がそのExcelを維持していくことが難しくなっています。また,内部統制や情報漏洩に係わるセキュリティからも,継続利用が危ぶまれています。

2. Excelリスクの4現象
 Excelリスクとは,業務部門の担当者がExcelで独自におこなっている情報処理をいいます。これが4つの問題に直面しています。
@ Excelブラックボックス化,
A Excel部分最適化,
B Excel引継ぎ不能化,
C Excel管理不在です。

(1)Excelブラックボックス化
 現場で各人が勝手に作成した,マクロを含んだExcelシートが,異動や退職などによって,作成者不明になっていることです。作成者がいても,積み重ねた変更と不備なドキュメントで,誰が,どこを,どのように変更したのか,分からなくなっています。

(2) Excel部分最適化
 各部署がその場その場で自分たちにとって最適と思う,業務の仕組みをExcelで作り上げ,それが全社の標準化からは弊害となっています。

(3) Excel引継ぎ不能化
 各部署に「Excelの達人」と言える人が1人はいて,その人がマクロをゴリゴリ書いて,部門のExcel利用を進めてきました。このようなExcelの達人の多くは,40代前後にExcelに出会って,その威力に感動してのめり込んだ人達です。彼らも現在60歳近くになって,後継者が必要な時期に入りました。しかし引き継いでくれる後継者が見つかりません。20〜30代の社員は総じてExcelに特段の思い入れがないからです。Excelの達人などダサいと思っています。Excelは当たり前の“文具品”だからです。

(4) Excelシートは管理不在
 大抵の場合「Excelのバージョン」はシステム部門が厳しく管理していますが,「Excelシート」は全く管理していません。総務部門がせいぜい「Excelシートを印刷したもの」について,「社内文書規程」などで管理するケースが大半です。Excelシートのフォーマットや仕様書を,きちんと管理している企業はほとんどありません。

 そして最大の問題は,フォーマットもバラバラで,システム部門も管理していないExcelシートが,「ERPなどの基幹システムと連携して使うツール」だということです。システム部門が管理するERPに,システム部門がまったく管理していないExcelシートを連携させて使う,アンバランスな体制の企業が多いのです。このアンバランスがシステム運用の最大の「落とし穴」です。
タグ:Excel
posted by 北村 at 15:23| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記